日本ウェブ協会・認知科学ワークショップ「認知科学とデザイン」

認知科学の理論を学びインタフェースデザインに応用する

インターネット利用者の人口増加と多様化により、ウェブはますます「使いやすくあること」が求められています。特にパソコンを使って利用者が最初に遭遇するブラウザ上に表示されるのが「インターフェース」です。このインタフェースの制作を担うのがデザイナーであり、「デザインする」という行為は利用者の操作性を左右するものとして、デザインの根拠をどこに据えるかが重要となって来ました。

ウェブは歴史が浅いこともあり、今日、「デザインする」という工程において「美しさ」や「装飾」に重点を置かれることが少なくありません。こういったエモーショナルに訴えることも重要ですが、工業製品的価値を担保するべく「操作性」や「機能性」を含めた「「人が使うものとしてのデザイン」という考え方が主流となって来ています。

このワークショップでは、ウェブにおいて「デザインすること」や「インターフェースを設計する」ための基礎となる考え方として大切な「認知科学」に着目しました。ウェブ利用者にとって「使いやすさ」を提供するために基礎となる学問を学びます。デザイナーはもちろん、ウェブにおける情報提供者の担当者(ウェブマスター)やエンジニアの方にもぜひ参加いただきたい内容として企画しました。

講師からのメッセージ

認知科学は、人間の理解や思考のしくみを扱う学問領域です。利用者がわかりにくい使いにくいと感じるのはなぜか、操作を間違えるのはなぜか、その原因を知るために認知科学の基礎を学びます。さらに、使いやすいデザインのための原則を知り、その応用を考えます。

ワークショップの形式をとることで、理論だけにかたよらず、身の回りにある製品や事例にも言及しながら、理論と実践をつなぐことを目指します。 グループでの議論や発表、練習課題などを織り交ぜ、手を動かしながら学んでいきます。

人間の認知に関する基礎的な理論を知ることで、ユーザビリティーや使いやすいユーザー・インタフェースへの理解が深まるでしょう。 (吉橋昭夫)

概要

受講お申込

認知科学ワークショプ「認知科学とデザイン」の申込用紙をダウンロードして、日本ウェブ協会まで、FAXあるいは電子メール添付にてお申し込みください。

内容

講師プロフィール

企業のデザイン部門勤務、大学助手等を経て、1998年の学科新設と同時に着任。ヒューマン・インタフェース・デザイン、情報デザインの教育・研究に取り組んでいる。美術大学でのウェブ・デザインの体系的な教育を目指して2003年度から演習授業をスタートし、2008年度には多摩地域の中小企業と連携して「企業ウェブサイトのデザイン(産学共同プロジェクト)」を実施した。その他、企業との産学共同研究も数多く手掛ける。第2回・第4回アックゼロヨン・アワード審査員。

アックゼロヨン審査員DVDについて

「使いやすいサイトを表彰する」アックゼロヨン・アワードでは、表彰式のDVDを作成しました。また今回は、待望の審査員インタビューが実現しDVDとして収録しました。本当に皆さんご多忙な中時間を割いて駆けつけてもらっての収録です。スペシャリストの皆さんのウェブサイト所有・運用側、また制作側の方達への濃いメッセージを多数収録しています。表彰式後の交流会でのインタビュー等と併せて、ぜひ、ゆっくりとご覧下さい。

推薦のことば

日本ウェブ協会理事長/多摩美術大学情報デザイン学科講師:森川眞行

現在日本ウェブ協会では「ウェブ構築プロセスへの理解」という勉強会を開催して おり、私は基礎講座の講師を務めております。今回のワークショップは「基礎講座3:インタフェース・デザイン」と連動する形で企画したものです。

1990年の発表されたドナルド・ノーマンの著書「誰のためのデザイン? — 認知科 学者のデザイン原論」という書籍をご存知でしょうか。ノーマンは人間が道具を使 う際に引き起こすエラーに着目し、その要因はデザインにあると考えました。書籍 の中で提唱している「ユーザー中心のデザイン」は、現在のユーザビリティという 考え方の基礎になっていると言われています。

このワークショップでは「誰のためのデザイン?」をテキストに、認知科学の理論 を学びインターフェースデザインに応用する考え方を身につけます。実際に受講者 の皆さんが自身で考え、手を動かし、発表を行うワークショップ形式(グループワ ークを予定)に参加することで、インターフェースやユーザビリティの課題に対し て、より理解を深めていただけるのではないかと思います。

講師は多摩美術大学情報デザイン学科准教授・吉橋昭夫氏(日本ウェブ協会会員) をお迎えします。吉橋氏はインターフェース、デザインを専門分野とされており、 大学におかれましても「認知科学とデザイン」の講義を持っていらっしゃいます。 大学のカリュキラムで14回の授業(28時間)ぶんの内容を、ワークショップの形で4時間で学べます。

「デザイン」に対する「学び」は、デザイナーだけでなく、ウェブディレクターやウェブマスター、システム設計者にも重要だと思います。このワークショップでは、テクニックやスキルではなく、「デザインする」という考え方を身につけることができます。